アウトライン化されたベクターデータを使用すれば、アドビのイラストレーターで簡単に色を自由に変える事が出来ます。白と黒だけという印象の活版印刷の世界に彩りが追加されて、当時では難しかった新しい表現が広がります。色の付け方で華やかにも落ち着いた雰囲気にも出来ますので、それぞれに合った組み合わせで構築が可能です。
今や、オフセット印刷が主流となりましたし、ベタにも耐えられる白い紙もとても綺麗なものが増えましたので、背景の色をセッティングすれば、また違った印象のビジュアルになります。
同じ装飾でパターンを作っておいて色を変えてやれば、同じ色だった時よりも、鮮やかな印象のビジュアルに変貌します。装飾にこうやって色を自由に付ける事が出来る事は、当時ではとても贅沢な加工であったと思いますし、今ではアドビのイラストレーターを使えば簡単に綺麗に整列した組版に版の工程は意識せずとも、モニター上でこうやって、色の変化を目の当たりに出来る事は本当に凄い事であると思います。
今度はより複雑な組み合わせで色の変化を作ってみましたがいかがでしょうか。白と黒だけで表現した場合と、色を計画してセッティングした場合では、このようにとても印象が変わる事が分かります。
もちろんではありますが、白と黒が劣っている訳ではありません。これが使われる様々な用途で、そのどちらが正解かが決まるかと思います。ただ、こういった活版印刷を元にした美術にとって、色を加える事はとても贅沢な事なのです。色の数と刷りの回数は同じになりますから、それだけ手間とお金が掛かったはずです。また、技術的な観点から、色の再現にも限界があったと考えられます。現在では、オブジェクトの色は自由に決められて簡単な操作でその表現を広げる事が出来ますが、色を加える事への理由付けというか、単に変える事が出来るという無意識で配色するよりも、こうやって、技術的な背景があって、その考え方で変えていく事もまた、この花形装飾活字を扱う上でとても大切の一面であると思っています。
この記事で使用している花形装飾活字のデータはオンラインショップ「LIGHTHOUSE TYPE FOUNDRY」で購入ができます。是非、この機会にご高覧いただけましたら幸いです。
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