花形装飾活字を愛でる第5回「シンメトリー」

アドビイラストレーターリフレクトツールを使用した

花形装飾活字の基本的な使い方の一つにシンメトリーの構築があります。シンメトリーを形作る事は、花形装飾活字のみならず、あらゆる美術、今回で言うところのグラフィクデザイン、またはタイポグラフィを考える上で意識する項目の1つであると捉えていただくと良いかもしれません。常にどんな時にも「対称性」という考え方を頭の片隅に置く事で、より整えられた綺麗なビジュアルに仕上げる事が出来ます。また、同時性としてアシンメトリー、「左右非対称」もあるかと思います。

対称に配置する事で新たな装飾パターンを構築出来る

1つの装飾を対称的に配置する事で、新たな装飾パターンを構築する事が出来ます。

全体をリフレクトツールで反転

枠を半分だけ作り、それをリフレクトツールで反転させる事で、シンメトリーな枠を簡単に素早く作る事が出来ます。それは複雑であればあるほど、左右対称になった場合の美しさは目を見張るものがあります。ですが、シンメトリーだけでは目が飽きてしまいがちです。そのような場合は、上半分、下半分でパターンを変えてみたり、まずは対称的に並べてみて、左右の全体的なバランスを見ながら、アシンメトリーの部分を作ってみて良さそうです。

対称性を活用したパターン形成

対称性は何も鏡合わせのように配置するだけではありません。対称性のあるパターンを上記のように配置するだけで、装飾の構成にストーリーや動きが生まれ、単に同じ向きの装飾を配置するだけでは得られない表現が可能となります。

この「対称性」は花形装飾活字だけに留まらず、美術のベースとなる考え方ですので、是非、何か紙面を構成するチャンスが訪れた際には意識してみてはいかがでしょうか。とくに、タイポグラフィの構築には欠かせない要素となりますので、本の表紙や本文の組版など、単なる文字の羅列、綺麗なイラストの表示、工夫された配置だけ、ではなく様々なルールの奥底に「対称性」への意識を忍び込ませ美術への昇華を実践してみても面白いかと思います。


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